相続人申告登記とはどんな制度?義務化されている?いつから開始?について解説

2025年7月18日
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2024年4月1日より不動産の相続についてのルールに改正がありました。その1つである相続人申告登記は、同じくルール化された不動産相続登記の義務化に関連するもので、不動産を相続する方はきちんと把握しておきたい制度です。
本記事では相続人申告登記について解説します。
相続人申告登記とは
相続人申告登記とは、所定の期間内に相続登記の申請をすることが難しい場合に、相続登記の申請義務を履行できるようにするための制度です。
相続人申告登記は義務化されている?いつから始まった?
2024年4月1日より、不動産の相続登記が義務化され、相続開始から3年以内に相続登記をしなければ、10万円以下の過料の対象となりました。
相続登記が義務化された背景には、相続人が誰かわからず管理などの問題が発生していることが挙げられます。従来は相続登記は義務化されていませんでした。相続登記をしなければその不動産を売却できず、利用価値のある土地については相続登記がされますが、利用価値のない土地については相続登記がされずに放置されることが良くあります。
相続登記がされない不動産には放置されるような土地も多く、管理がされないので周辺の環境の悪化を招いたり、民間取引・公共事業において所有者がわからず手続きが進まないという弊害が発生していました。そのため、上記のようなルールを設けることになりました。 なお、義務化されたのは相続登記であり、相続人申告登記が義務化されたわけではないので、相続登記ができるのであれば相続人申告登記は不要です。
相続人申告登記と相続登記の義務化とはどんな関係がある?
しかし、相続した不動産や、相続人の事情により、誰が相続するか・どのように相続するか決まらないこともあります。
相続登記が義務化されたのは、相続人が誰かわからず管理などの問題が発生しているためです。そこで、相続人が誰かわかるようにする相続人申告登記をすることで、相続人が確定するまでの間でも管理などの問題が発生しないようにしようとしたもので、これによって相続登記の義務の履行に変わってできるようにした、という関係があります。
相続登記と相続人申告登記は何が異なるか
相続登記と相続人申告登記は異なるものです。
相続登記とは、相続を原因として所有権の移転をする登記のことをいいます。遺産分割協議などで所有権者を決め、あたらしく所有権者となる人が相続によって所有権を取得したことが不動産登記簿で公示されます。こうれに対し、相続人申告登記をすると相続人である旨が記載されるのみで、所有権者とされるわけではありません。所有権者として公示されるのか、相続人として公示されるのかという違いがあります。
相続人申告登記の方法
相続人申告登記の方法を確認しましょう。
相続人申告登記は、相続登記と同じく法務局に申出を行います。法務局で所定の審査をして、問題がなければ相続人の氏名・住所が登記されます。
一部の相続人が単独で申し出ることが可能です。
オンラインでの申出も可能で、通常の不動産登記のように専用のソフトウェアをダウンロードするなどしなくても、Webブラウザ上で手続きができるようになっています。
相続人申告登記の必要書類にはどのようなものがある?
相続人申告登記に必要な書類には次のものがあります。
- 申出書
- 申出人が登記記録上の所有者の相続人であることが分かる戸籍の証明書(戸除籍謄本等)
- 申出人の住所を証する情報
- 委任状
まとめ
本記事では相続人申告登記について解説しました。
相続登記が義務化されたのですが、相続登記が法定の期間内に行えない場合に備えて、義務を履行するために併せてスタートしたのが相続人申告登記です。遺産分割協議がなかなか進まず、相続登記ができない場合などで用いられます。利用について不明な点がある場合には、ぜひ池末Ryomo司法書士法人にご相談ください。
相談は無料で、電話・メールにて予約を受け付けており、その後経験豊富な司法書士が、相続に関する悩みや不安・質問などを真摯に伺い、問題点と解決方法を検討します。
監修者プロフィール


代表池末 晋介(イケスエ シンスケ)
所有資格 |
司法書士 登録番号 第488号 簡裁訴訟代理業務認定番号 第401634号 |
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所属団体 |
群馬司法書士会 全国クレジット・サラ金問題対策協議会会員 ぐんまクレジット・サラ金問題対策協議会幹事 |
経歴 |
群馬司法書士会 クレサラ・ヤミ金問題対策委員会委員長 群馬司法書士会 消費者委員会委員長 群馬司法書士会 理事 等を歴任 |
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